初めて東京に一人で出てきた高二の秋。

新宿の人の多さにめまいを覚え、小田急線沿線に住む姉をもはや別人種の様に感じていた。
東京に対する漠たる期待を胸に上京したが、物や人が多いだけで退屈なキャンパスライフ。
新宿高島屋HMVで週7枚くらいCDを買いこみ、夜中につくったソーセージ入りミートパスタを喰いながら、ヘッドホンで音楽を聞いていた。そして眠らぬまま朝を迎え、学校へむかった…。やっと抜け出せたはずの学校へ…。大学も所詮、学校だったのだ。違う点は、私服で、酒やタバコを堂々とたしなめること、あとAVも比較的堂々と借りれることくらいなもんだった。
「つまんねぇ…。」
サークル行ってみてもなんだか気持ち悪い奴しかいないし、クラスコンパ行っても人間関係無理矢理作ってる感じだし。あーぁ、もっと熱い、狂ったように突き抜けたなんかないのかね?俺はもうクラスとかゆるいサークルだとか、そういう何の意味も無い人間関係を持続させるのは嫌なんだよ。
そのように鬱々と病んでいた時にボート部に転がり込んだ。

そんなことを考えていたっけなぁと、実家の風呂で思った。
東京行って、ボートやって、プラプラしてまたこうしてこの風呂はいってる俺よ。
次はどうすんの?
焦る奴は、小物。
俺は、大器晩成。
そういい続けてかれこれ何年経ったろう?
いやはやまったくねぇ。