酔った勢い、責任のとりかた

もつ鍋を食べながら焼酎を飲み、その酔った勢いで買ってしまった。
中古のニンテンドーDS。

ゲームなんてやってる時間ないけど、息抜きに頭使うゲームならいいか、ということで。

パズルゲームソフトを買い、家でウハウハ遊んでいたら気付いた。
画面の一部の点の色が抜け落ちている。
これを「ドット落ち」というらしい。
ほんとに小さな点なので、「そんな小さなことにこだわるような小さな男じゃないわぃ、ボケェェ」
とゲームを続行。

しかし、ノミの心臓とダニの心を持つ私は、猛烈に気になる。一度気になると、雪だるま式に気になる。
明日、あの店に行って交換か返品してもらおう。買うときに状態チェックをしたけど、起動後の画面まではチェックしなかったな。それはチェックしなかった俺の責任か?焼酎?
悶々としたまま、床についた…。

そして今日。
SONY-NW-E405でロッキーのテーマを聴きながら、凛とした面持ちで昨晩の店へむかう。
ゲーム販売のカウンターへ。
そこには、
「中古品の交換・返品はおうけできません」
なる表示!
私はきびすを返し、一度店を出た。
そして銀行の前で考えた。
「待て、俺の場合、れっきとした障害があるじゃないか?なぜすごすご引き下がる?」
ノミの心臓は高鳴り、再びゲーム販売のカウンターへ。
店員の青年に穏やかかつ低姿勢にことの次第を説明したところ、本来はドット落ちはメーカーでも故障扱いではないため修理も受け付けていないと言われた。
やや論点をずらされたように感じた。
思わぬ欠陥を俺は甘んじて受けるべきなのか。
たかが一晩の酒の過ちのせいで?

「じゃ、交換とかは無理なんですか?」
と問うた。
「返品のうえ返金なら」
意外にイージーに現実は展開する。
ということで、返金してもらい、別のDSをしつこく状態チェックして買った。

今度のDSは色が白で、前の彼女が持っていたものと同じ色。
「もしや、これはあの娘が売ったやつじゃないだろうか?ウァァァーン!」


ノミの心臓とダニの心を持つ妄想家の憂いは消えることがない。