泥沼

昨日は近所の銭湯が休業なので、
やや遠めの銭湯へいった。


この銭湯はいつものとこより、
湯加減がいいから嫌いではない。


だが、くる客が問題を抱えている。
刺青はオールオッケー。
見事なものが拝める。


まぁ、そういうのはいいんだけど、
問題が毎度いるおっさん。


いつも浴槽の中央にデンと陣取り、
腕組みをして周囲を見ている。


えばっているからではない。
ソッチの方なのだ(憶測だけど)。


俺は怒りを覚える。
そういう性質は仕方ない。
しかし、それを銭湯で発散するな。
確かに、見放題だ。
だからって見るな!
そういうおっさんに注意しても、
絶対否定するか、
「金払って普通に風呂はいってるだけだろうが」
と抜かすに決まってる。
そして、それに反論はできない。
見ているだけだし、
おっさんがノンケではないことは証明できない。
抱きついてきたりしてこないかぎり、
このおっさんの天下である。


チックショウ!チックショウ!
俺は極力そのおっさんの視界に入らないように行動する。


最近、自転車がパンクしたので、徒歩で家まで帰る。
その時、なんだか真っ暗な泥沼のそこに着地した場景が頭に浮かんだ。
ゆっくりと、真っ暗な泥の中を落ちていって、ダンと確実に底に足が着いた。
「そうならいいなぁ、まったく」
そうして家に着くと、
先日、泥沼の成れの果てのような状況になって別れた元彼女からメールが来ていた。


「元気?」
どういう心境で俺のような袋オナニー野郎に連絡してみようと思ったのだろう。
まったくもって不可解。
「元気だよ。元気?」
「あんまり・・・。」
「そっか。元気出して(裸踊りの画像)」
「ありがとう!笑」
みたいな。


死にたくなるね。
どこか遠くへ行きたくなる。