いとこ

昨晩、いとこと馬場で飲んだ。


この春から私と同じ大学に入学したこの青年は、
まだ馬場について何も知らない、という。


馬場のロータリーで待ち合わせをしたところ、
通常は「ロータリー内」で落ち合うのが定石なのだが、
彼は実直に「ロータリー周辺」をぐるぐるまわって、
私を探してくれていた。


というわけで、
馬場入門編として、
HUBの7時までカクテル半額ハッピーアワー、
とり安、
二郎、
に連れまわした。


このコースであれば、
飲み屋を2件、締めのラーメンつきで、
かなり格安で満足を得られる、
と教えた。


でも、二郎について
「これは締めじゃない」
と正しい批評をされた。


だよねー。


いとこ。

そんなにベタベタする関係ではないんだけど、
小さいときは、
夏休み、冬休みのたびに一緒に遊んで、
夕飯時は俺のひざの上に座るのが好きで、
大人に、
「じゃまになるからどきなさい!」
と怒られても、
頑固に「ここは僕の場所だ」
と動かなかったいとこ。


そんなかわいいイトコとこうして、
差しで酒を飲むことは、
感慨深いものがある。


人生の先輩として、
まだたいしたことは教えて上げられないけど、
とりあえず、
・いざというときのために一発芸を仕込んでおけ
・あらゆる局面でフットワークは軽くあれ
・先輩に甘える術を学べ
・ずるさを身につけろ
などという、
なんとも下卑たアドバイスしか現状ではしてあげられなかった。


やはり、はやいとこ俺自身が結果を出して、
大いに俺に甘えさせてやりたいと思った。


酒と二郎にやられた後、
自宅へ帰り、
酩酊しながらも勉強をしようとしたが、
やはり寝てしまった。