しがない日曜。

金が無いので、
土曜の晩から姉の家に泊まり、
日曜も一日中ごろごろさせてもらった。


夜12時前に寝、昼12時に起きる。
寝すぎて頭が痛い。
「誰?」というレベルまで
ぱんぱんに顔がはれる。


起き抜けに
中華料理屋へ行き、
一通り食事をし、
デザートを頼もうと、
店員さんを読んだ。
「マンゴームース」
と私は迷わずいったのだが、
姉は迷っている風で、
「一番濃い杏仁豆腐を」
というわけのわからないオーダーをした。


吉祥寺の街をぶらぶらして家にもどる。
普段は競馬など興味ないくせに、
今回の競馬の馬券を買っていた姉は、
「当たる気がしてしょうがない」
という。
テレビで、そのG?レースを見る。
「やっぱ茶色い馬、いいわー。」
しかし、姉が買った馬はグレー。
結果は惨敗。
スポーツ新聞と馬券を引き裂く姉。


先ほどタワーレコードで購入した
CDをガンガンにかけて
そのまま昼寝に突入である。
かたわらにワンカップがあったら完成の勢いである。


私は昼まで寝ていたので、夕方になっても昼寝ができない。
というよりかかっている音楽が激しすぎて寝れない。


本を読む。
もっていった本を読み終え、
さきほど本屋で買った「バッテリー3」も読み終え、
どうしようもなくなった。


姉の本棚を探ると、
石川啄木に関する本があったので手に取った。
石川啄木はむちゃくちゃな人だったと書いてある。
なぜひとはむちゃくちゃな人にひかれるのだろうか。
啄木の歌をほぼ始めて色々と読んだが、
よかった。
給料入ったら歌集でも買おうと思う。


このままでは姉が奇人で終わりそうなのでフォローしておくと、
昼寝から目覚めた姉は、東急へいったかと思うと、
夕飯を作ってくれた。
「金がないんだろう?」


これ以上食えんというほど食わしてくれた。
姉が、
「この前実家に帰った時に、王(うちでは母を王とよぶ慣わしである)が、お前に『まともになるまで帰ってくるなといってやった』といってたけど」
というので、
「いわれてない」
と答えた。
事実、言われていないのである。


我が家は一体どういうコミュニケーションを目指しているのか。
しかし、
私の現状に対する家族からの想いは伝わった。
ねじれた経路ではあったが。


私は一日の礼として、食器を洗い、
自分の家へ帰った。


不思議な感じだ。
子供であった自分と姉が、
こうしていい年になっていく。
やがては老いて死ぬんだな。
まったくもって不思議なものだ。